兵庫・加古川産の綿からマヨネーズ こだわり「綿マヨ」完成 神戸大、県立大生と地元企業が連携

「かこっとん」の鷲尾吉正社長(左から2人目)や地域住民らとともに「綿マヨ」を完成させた学生たち=加古川市平荘町

 神戸大と県立大の学生4人が兵庫県加古川市志方町広尾東地区の活性化を目指し、地元産綿花の綿実油を使ったマヨネーズ「綿(わた)マヨ」をクラウドファンディング(CF)で商品化した。播磨産コットン復活を目指す加古川市の会社「かこっとん」や志方東営農組合と連携、製造には鶏卵販売加工会社「籠谷」(高砂市荒井町)が協力した。素材からパッケージまでこだわり抜いた逸品は、CFの返礼品として寄付者に発送。数量限定で一般販売する準備を進めている。(増井哲夫)

 東播の農業関係者や研究者らでつくる「ため池みらい研究所」(加古川市神野町)のプロジェクトの一環。4人は広尾東地区で綿花を栽培する取り組みについて関係者から話を聞き、地域の魅力としてアピールする手段などを考え、綿実油を使ったマヨネーズの商品化を企画。認知度を上げるためCFで資金を募った。

 混ぜ合わせる他の素材も奥丹波の卵、「コウノトリ育むお米」の酢、赤穂の塩、地元のヘアリーベッチ蜂蜜といった県産をそろえた。籠谷と何度も打ち合わせを行い、油の配合率、蜂蜜の量など試食を重ねた。綿実油の特徴で酸化しにくいので、風味を長く楽しめるという。

 CFの返礼品は2500円の支援で1点(300グラム入り)、パッケージも工夫した。「加古川で綿花を栽培していることを実感してほしい」と、収穫の過程で集めた「落ち綿」を同梱した。

 今後の一般販売を見据え、こだわったのがリーフレットの同封だ。パッケージと一体化した四つ折りで、「綿マヨ」が誕生するまでの物語などが記されている。学生たちは「リーフレットを読んで、価格に見合う製品だと伝わればうれしい。綿マヨを通じて地域活性化の輪が広がってほしい」と話す。

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