長崎・島原城 美化続け60年 森岳地区女性会、高齢化で最後のボランティア

森岳地区女性会として最後となる島原城お堀周りの清掃活動を終えた会員有志=島原市城内1丁目

 長崎県島原市のシンボル・島原城がある同市森岳地区の女性でつくる「森岳地区女性会」が約60年にわたって続けてきた堀周りなどの清掃ボランティア活動が10日、会員数減少と高齢化のため終了した。
 小川澄子会長(82)=同市城西中の丁=は「市民や観光客から『きれいになったね』と声をかけてもらうと疲れも吹き飛んでいたが、共働き世帯も増えて女性会としての継続が難しくなった」と述べ、「今後は地区の有志で清掃活動できる仕組みができれば」と希望している。
 同会は1947年、森岳地区婦人会として発足。現在の島原城天守閣が建設された64年、月に1回の地区内清掃を始め、66年からは美しい街並みで観光客らを迎えようと堀周り(全長約1.2キロ)の草取りを始めた。2017年には国土交通大臣表彰を受けた。しかし最大約600人に達していた会員数は近年、約160人にまで減少していた。
 今月は9、10の2日間、70~80代の会員有志延べ約20人が堀端の生け垣などを除草。ごみ袋20袋分が集まり、観光客らが島原城と堀を望んで撮影できる堀端南東角周辺も、すっきりとした姿を取り戻した。
 10日の参加者で最高齢だった橋田ハルミさん(86)=同市柏野町=は「仲間とおしゃべりしながらお城をきれいにすることは楽しみでもあった。今後は(女性会で続けている)小学生の下校時の見守りなどで地域に役立っていきたい」と話した

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