福崎町特産のもち麦を町外にもPRしようと、穀物加工会社「寺尾製粉所」(兵庫県姫路市)は牛乳に溶かして飲む粉末状の商品「もち麦ラテ」を開発した。福崎町や神戸医療未来大学(同町高岡)の学生も協力。産官学が連携した商品となり、同社は「一杯で栄養がたっぷり取れ、忙しい朝におすすめ」と呼びかける。(喜田美咲)
3者はもち麦振興のため、2022年に商品の研究や販売に向けた連携協定を締結。今回は県のアグリビジネス創出支援事業の補助金を活用した。
もち麦は食物繊維が豊富で、食後の血糖値上昇を抑える効果があるという。同社は手軽においしく食べてもらおうと、これまでわらび餅のほか、もち麦を焙煎(ばいせん)してコーヒーのような風味にした商品「もち麦コーヒー」を販売してきた。
同商品を手がけた際、いったもち麦を粉末状にしたがお湯で十分に溶けず、ドリップ式にした。栄養豊富な胚芽が抽出かすとなるのを防ぐため、今回は粉末の細かさを追求した。
試飲した町職員や大学関係者の助言を受け、まろやかな味わいにするためにブドウ糖を加え、牛乳を混ぜて飲める商品を開発。プレーンと、ココアパウダーを混ぜた2種類を用意した。
コップ1杯分のラテで、茶わん1杯分のもち麦ご飯に相当する食物繊維を摂取できるという。健康学や栄養学を学ぶ同大の学生からも「きなこ牛乳みたいで飲みやすい」と好評だった。
今月4日には同大で商品発表会があり、ふくさき観光大使の2人が商品をPR。同社の寺尾知恭専務(55)は「栄養価を重視する中、味も大切ということを町や大学が気づかせてくれ、納得の一品ができた。アイスにかけるなど多彩な食べ方を楽しんで」と話した。
いずれも粉末45グラム入りでプレーンが324円(メーカー希望小売価格)、ココアが378円。25日から町内の観光交流センターで販売。JR姫路駅前の名産品店「播産館」や、神戸阪急のひょうごふるさと館(神戸市)でも並べる予定。