つるし切りに初の「レース」も 青森・風間浦村でアンコウ感謝祭

感謝祭で実演され、多くの来場者が見入ったアンコウのつるし切り
子ども限定参加で行われた、今回初開催の鮟鱇レース
限定販売されたアンコウ汁とすし

 青森県風間浦村産の旬を迎えたアンコウを味わうことができる「風間浦鮟鱇(あんこう)感謝祭」が9日、下風呂漁港特設会場で開かれた。会場ではアンコウをつるしてさばく「つるし切り」の実演のほか、今回新たに「鮟鱇レース」も開催。県内外から訪れた約500人がアンコウ料理とともにイベントを楽しんだ。

 アンコウのブランド化に取り組む「ゆかい村風間浦鮟鱇ブランド戦略会議」が主催。アンコウ汁とすしは事前予約の各150食限定で販売。アンコウ汁は一般販売も行われた。このほか、村内事業者や飲食店が作ったともあえや昆布なども並んだ。

 つるし切り実演は約12.5キロのアンコウが登場。風間浦漁協蛇浦支所所属の漁師木下清さんが、こつを話しながらひれや皮、内臓などを手際よく解体すると、来場者はカメラで動画を撮影するなどして見入っていた。

 七戸町の兎内忠男さん(70)は、アンコウ汁とすしを堪能。「肝がたくさん入っていて濃厚。体も温まる」と笑顔を見せた。子ども限定の鮟鱇レースで優勝した弘前市の堀江幸暖(ゆきの)さん(8)は「最初逆走したけど、ちゃんと泳いでくれて優勝できてうれしい」と話した。

 村産アンコウの漁期は例年12~3月ごろまでで、漁港から漁場が近く、生きたまま水揚げされるのが特長。鮮度が良く生でも食べられるのが売りで、2014年に「風間浦鮟鱇」として、地域団体商標に登録された。

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