イタリア、銀行のシステムリスク資本バッファーを1%に引き上げへ

[ミラノ 11日 ロイター] - イタリア中央銀行は8日、国内銀行に対しシステミックリスクに対応するための資本バッファーを追加で積み立てることが必要になると表明し、市中協議を開始した。

同バッファーは今年末まで国内資産(信用リスクとカウンターパーティーリスクに応じて加重)の0.5%となる。来年6月30日までにさらに0.5%上乗せされる。

中銀によると、欧州経済領域(EEA)加盟30カ国のうち、銀行にカウンターシクリカル資本バッファーとシステミックリスク資本バッファーの保有を義務付けていないのはイタリア、ギリシャ、ポーランド、スペインのみ。

こうしたバッファーはストレス時に取り崩すことが可能。

中銀によると、イタリア国内で営業する銀行の昨年の利益は融資需要低迷にもかかわらず320億ユーロに達した。今回の規制が経済成長に及ぼす影響は無視できるという。

証券会社エクイタのアナリストによると、この規制により最低所要額を超過する国内銀行の準備金は77ベーシスポイント(約50億ユーロ)減り、平均540ベーシスポイントとなる。「こうした水準は非常に堅実で、銀行が明らかにする分配政策を脅かすことはなさそうだ」としている。

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