能登半島地震を受けた観光支援策「北陸応援割」で、石川県内の予約受け付けが12日始まり、宿泊施設や旅行会社では朝から電話が鳴りやまず、スタッフが対応に追われた。2時間半で千人の予約を受けた宿泊施設や、約45分で受け付けを終えた旅行代理店も。ホテルスタッフは「今までの旅行割と予約の入る勢いが違う」と驚きの声を上げ、地震で落ち込んだ観光需要の拡大に期待を寄せた。
応援割は16日から4月26日の宿泊分が対象で、1人当たり1泊2万円を上限に旅行代金の半額を割り引く。旅行代理店や宿泊施設それぞれに割り当てられた予算がなくなり次第終了する。ビジネス利用は対象外となる。
金沢市の金沢彩の庭ホテルでは12日午前9時から、スタッフが休む間もなく電話を取り続けた。予約対応は通常より4人多い9人で当たったが、電話を受けきれず、「連絡が取れないから」とホテルに直接訪れて予約する人もいたという。髙田恒平代表は「一人でも多くの人に北陸のファンとなってもらいたい」と話した。
同市の金沢ニューグランドホテルは午前9時の受付開始からホームページの予約フォームがつながりづらくなった。午前11時半には受け付けた人が千人を超え、担当者は「石川だけが対象だからか、電話が多すぎて、予約の打ち込み作業が間に合わない」と忙しそうに話した。
同市の「ほっこく観光」には開店1時間前から列ができた。割引後の価格が1万円前後となる宿泊プランに予約が集まっており、加賀市の片山津ゴルフ倶楽部でのプレー付き宿泊プランが人気だ。
別の旅行代理店は午前8時45分から受け付けを開始し、午前9時半ごろに予算の上限に達した。担当者は「もう少し予算があれば」と漏らした。
新潟、富山、福井3県は8日から予約を始めている。