復興誓い60人旅立ち 珠洲4中学で卒業式 地元で門出「感謝」

在校生や保護者が見守る中、入場する卒業生=12日午前10時、珠洲市のラポルトすず

 能登半島地震で大きな被害を受けた珠洲市内の中学校4校の卒業式が12日、一斉に行われ、約60人が学びやを巣立った。緑丘中では地元で学校生活を送る一方、金沢に集団避難した生徒もおり、前日にようやく全員がそろった。式には集団避難中の在校生も加わり、3年生の門出を祝福。地震で一緒に校舎で過ごすことができなかった生徒は別れを惜しみながら、ふるさとの復興を誓った。

 緑丘中は校舎が避難所となっており、市内の多目的ホール「ラポルトすず」で式を行った。卒業生40人は在校生約100人や保護者に見守られ、山岸昭彦校長から卒業証書を受け取った。山岸校長は「心のつながりを大切にしてください。一人一人が復興への力になる」と呼び掛けた。

 卒業生代表の岡田崚汰さん(15)が答辞を述べ、見慣れた街が変わり果て、生きた心地がしなかったとし「みんなで過ごす3学期はかなわなかったが、卒業式を珠洲で行え、在校生に見守られながら卒業できることに幸せを感じている」と感謝を伝えた。

 珠洲市からは1月、中学生102人が金沢市へ集団避難した。3年生は同市の医王山スポーツセンターを10日に退所し、珠洲市に戻った。

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