バルセロナで数々の栄光を手にし、日本で忘れられることのない足跡を残した。さらに中東に向かってからも、アンドレス・イニエスタは現役を続けている。
UAEのエミレーツ・クラブに所属するイニエスタは先日、キャリア通算1000試合出場の偉業を達成した。3月12日のイタリア紙『La Gazzetta dello Sport』のインタビューで、1000試合の中で最高の一戦を問われると、イニエスタは「初戦だ」と答えている。
「2002年10月のクラブ・ブルージュとのデビュー戦だよ。子どものころからサッカー選手になるのが夢だった。あの夜、夢が叶ったんだ」
「そのあとは選ぶのが難しいね。僕はラッキーだった。たくさん勝つことができ、記憶に残る試合はたくさんある。でも、この22年間で最も大事なのは、本質が同じままなことさ。自分の試合を見直すのはいつも好きだった。子どものころにしていたことを世界規模でも繰り返している自分を見ることができたからだ。僕はあまりにもサッカーを愛しているんだよ。だからプレーを続けている」
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古巣と盟友は苦戦中だ。昨季のラ・リーガを制したバルセロナだが、今季は28節を消化して宿敵レアル・マドリーに8ポイント差をつけられている。コパ・デル・レイでも準々決勝で姿を消した。シャビ監督は今季限りでの退任を発表している。
イニエスタは「彼とともに苦しく思っているよ。サポーターとして、友人としてね」と話した。
「彼がどれだけバルサを率いることを大切にしていたか、どれだけこのクラブのことを思っているかを知っているからだ。彼はものすごい情熱を注いできた。自分や個人的な栄光のためじゃなく、愛するクラブのためにうまくいくことを、彼以上に望んでいる人はいない。退任を決めたのが、バルサのためを思ってのことでしかないことは明らかだ」
現時点で、イニエスタ自身はいずれ指導者になることをどう思っているのだろうか。監督をやりたいか問われると、「理想としてはイエスだ」と答えている。
「でも、すごく先のことだ。まだ現役だし、ライセンスもない。取得はする。スポーツディレクターもね。それからどうなるかを見よう」
その美技をできる限り見たいというファンは多いだろう。そしていつか、ジョゼップ・グアルディオラやシャビのように、そのビジョンを後進に伝えるときも来るのだろうか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部