祖父宅を放火し殺害した罪に問われた男 初公判で起訴内容認める 検察「祖父からの仕打ちへの怒りが収まらず殺意」弁護側「心神耗弱だった」

広島県尾道市の住宅を放火し、祖父を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判が12日、広島地裁で始まりました。男は起訴内容を認めました。

殺人と現住建造物等放火の罪に問われているのは、尾道市に住む無職の男(24)です。起訴状によりますと、男は去年5月、祖父(当時79)が住む2階建ての住宅で、1階ののれんに火をつけて全焼させ、祖父を急性一酸化炭素中毒により殺害したとされています。

初公判で男は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

検察側の冒頭陳述によりますと、男は同居を始めた2018年以降、祖父から暴言をはかれ、電気ストーブやはさみなど物を投げられるようになったといいます。事件の起こる10日前に、家を出て、親族宅で生活していましたが「祖父から受けた仕打ちに対する怒りが収まらず、殺害を決意した」と指摘しました。

弁護側は、男に中度の知的障害があったとしたうえで「事件当時は心神耗弱であった」と主張しました。

裁判では、同居していた祖母が証人として出廷。自身も祖父から物を投げられたり、暴言を吐かれたりしていたことなどを証言しました。

裁判は被告人質問や精神鑑定を実施した医師の証人尋問などが予定されていて、判決は22日に言い渡されます。

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