捜査情報が流出 鹿児島県警、4事件12人の個人情報漏えい認める

 鹿児島県警は12日、捜査資料とみられる文書2枚が流出し、事件4件に関係する12人分の個人情報が漏えいしたと公表した。二次被害は確認されていない。他にも複数枚流出している可能性があるとして、県警が原因や経緯を調べている。

 県警によると、流出したとされる文書は、告訴告発事件の処理経過を管理する「告訴・告発事件処理簿一覧表」。警察職員5人と、告訴人や被告訴人ら一般人7人の氏名、生年月日などが記載されていた。

 2023年10月25日、ウェブメディアが一部黒塗りにされた同一覧表を掲載。県警が掲載数日後に把握し、書式や記事内容から、県警が取り扱った文書が黒塗りされず、流出した可能性が高いと判断した。

 特に配慮が必要な“要配慮個人情報が含まれるデータの漏えい”として国の個人情報保護委員会へ報告。24年3月までに全当事者らに対面や書面、電話で通知、説明した。同委員会の県警への立ち入り検査はこれまで実施されていない。

 アクセス権を持つ県警職員が閲覧、印刷できる文書だったため、県警は一覧表の印刷機能を廃止。川崎清刑事企画課長は「関係者に迷惑をかけ、申し訳ない。流出した経緯について厳正に調査する」とコメントした。

 県警の個人情報漏えいを巡り、新型コロナウイルス療養施設で鹿児島県医師会元職員の男性から性的被害にあったとして刑事告訴した女性看護師側の代理人弁護士が今年2月下旬、会見を開き、「個人情報が漏えいし県警から謝罪の申し出を受けた。一連の対応が不誠実だ」と訴えていた。

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