「五月のぼり」の制作がピーク 勇壮な戦国武将人気 南島原・マツダ旗染屋

5月5日の端午の節句に掲げる「五月のぼり」作り=南島原市有家町

 端午の節句(5月5日)に向け、長崎県南島原市有家町のマツダ旗染屋では男児の健やかな成長を願う「五月のぼり」の制作がピークを迎えている。
 同店は1870(明治3)年に創業し、154年続く。工房には、シワ無くピンと張られた長さ7.5メートル、幅0.9メートルの木綿布。店主で職人の松田真一郎さん(53)が、はけを手に武者や鳥などの下絵に沿って、鮮やかな赤や青、金色の染料を塗っていた。

職人の手で丁寧に絵付けされる五月のぼり=南島原市、マツダ旗染屋

 立身出世で天下統一を成し遂げた戦国武将・豊臣秀吉や虎退治の名将・加藤清正の絵柄が人気で、1旗仕上げるのに2週間ほどかかるという。室内用の「刺繍(ししゅう)名前旗」や、マンションのベランダなどに飾れる「ミニのぼり」など小さめの商品の注文もある。
 松田さんは「ご両親や祖父母が、子や孫のためにと買われていく。真心込めて作りたい」と笑顔で話した。同旗染屋(電0957.82.2514)。

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