新上五島の夜空に大輪 魚目中3年生18人「元気プロジェクト」集大成の花火

3年生が企画し打ち上げた花火=新上五島町(魚目中提供)

 新上五島町立魚目中(山田喜彦校長、54人)の3年生18人が卒業前の9日、花火大会を開いた。同町浦桑郷浦桑堤防から打ち上げられた75発が夜空を彩り、保護者や住民約200人が観賞した。大会は一昨年の3年生が初めて開き2年ぶり。
 現3年生は昨年4月、「上五島元気プロジェクト」を企画。絵本の読み聞かせなど地元活性化に取り組んできた。花火大会を締めくくりのイベントとして9月半ばからオリジナルTシャツやタオル、布製バッグを販売したほか、バザーの収益も含め約36万円を準備。プロジェクトリーダーの大瀬良一星(いっせい)さん(15)は「地域の人たちから『がんばってね』と声をかけられ励みになった」と振り返った。

花火を見上げる生徒ら

 花火の打ち上げは、2年前と同じ佐賀県の唐津煙火に依頼。木塚博治社長は生徒の熱意に応え、金額以上の花火を用意した。
 浦桑郷の岸壁に並んだ生徒らのカウントダウンに合わせて打ち上がった大輪の花火。プロジェクトメンバーの石川典慎(てんしん)さん(15)は「2年前に開いた先輩が築いた“人とのつながり”を深め、広げることができた。地域の人に元気を届ける活動を無理しない範囲で続けて」と後輩に託した。
 担任の橋本洋教諭(38)は「離島の教育は人数が少ないことなどマイナス面で取り上げられがちだが、地域との一体感を得やすい。生徒らの郷土愛も深まったと思う」と話した。

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