「汚染された処理水」議員発言巡り本会議3時間半中断 青森県議会

 青森県議会は12日、鹿内博議員(無所属)が福島第1原発で海洋放出する処理水を「トリチウムに汚染された処理水」と発言したことなどを巡り、本会議が約3時間半にわたり中断した。宮下宗一郎知事は答弁で「処理水を汚染された水だというような発言は撤回すべき。(発言の)処理は議長や議員にお任せする」と議会側に暗に対処を求めた。丸井裕議長は議員らと協議の末、「議会での議員の発言は原則として制約を受けることなく、自由になし得る」として取り消しはできないと判断した。

 議案に対する質疑で、鹿内議員は「国と事業者は、漁業者との約束を破ってトリチウムに汚染された処理水を美しい海に放出している」と発言。知事は風評被害が出ていることを念頭に「県内でもホタテ漁師を中心に苦しんでいる皆さんがいる中で、配慮に欠けた発言」と指摘した。

 阿部広悦議員(自民)が発言の取り扱いを丸井議長に要請。丸井議長は午後3時10分ごろから本会議を休憩にして協議した。再開は午後6時40分ごろだった。

 鹿内議員はこのほか、県教育委員会の教育政策課長が知事部局の秘書課総括副参事を併任していることについて、県教委の議決を経ておらず地方教育行政法に反すると指摘。県側は違法性はないとした。阿部議員はこの見解の食い違いもただし、丸井議長は「法律違反かどうか文部科学省に照会している。回答があり次第報告する」とした。

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