村田発條と自治医大発ベンチャー、看護分野で新規事業へ 協業で次世代機器を

自治医大発ベンチャーと協業を進める村田発條の本社=宇都宮市

 自動車用ばね製造の村田発條(宇都宮市平出工業団地、村田雄郎(むらたたかお)社長)は12日までに、自治医科大発ベンチャー(新興企業)のナーステックラボ(宇都宮市陽東7丁目、代表取締役CEO=最高経営責任者・川上勝(かわかみまさる)自治医大看護学部准教授)と協業し、看護分野の課題解決を図るものづくりに乗り出す。新規事業につなげたい考え。

 村田発條は1月中旬、ナーステックラボと秘密保持契約を締結した。

 ナーステックラボは看護分野の課題解決に取り組むのを目的に2019年8月に設立された。看護専門職の資格と臨床経験のあるスタッフが、看護実践用具や看護師らの教育・研修用教材の研究開発・販売などを手がけている。

 村田発條は、トラック用エンジンのバルブスプリングなどを製造している。世界的に電気自動車(EV)の普及が進む中、新規事業の開拓に向け、宇都宮市などによる起業家支援の「宇都宮アクセラレーター」のオープンイノベーションプログラムに参加。医療・介護やEV関連企業など5社と面談したという。

 そのうちの1社がナーステックラボ。協業を進めたい分野が合致する県内の企業で、介護や医療現場のニーズを把握し、自社の製造ノウハウも生かせることから協業を決めたという。

 「介護と防災」をテーマに、ものづくりによって介護現場の課題解決を図る。製品設計や試作などを進め、25年秋の医療・介護展示会「メディカルジャパン」への出展を目指すとしている。

 村田発條技術部技術グループの村上悟視(むらかみさとし)チームリーダーは「新規事業として立ち上げたい」と話した。

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