被爆地広島で映画「オッペンハイマー」の試写会 元市長らのトークイベントも 

原爆を開発した科学者を描いた映画「オッペンハイマー」の試写会が12日、広島市内で開かれました。

この映画は、第2次世界大戦中に原爆を開発したアメリカの科学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いたもので、アカデミー賞の作品賞や監督賞など7部門で受賞しました。

日本での公開を前に12日、広島市中区の映画館で国内初の試写会が開かれ、およそ110人が参加しました。

この後のトークイベントでは、元広島市長の平岡敬さんなど3人が映画の感想などを話しました。

元広島市長 平岡敬さん
「ちょっとね、原爆の恐ろしさ、核兵器の恐ろしさというのがまだ十分に描かれていないんじゃないかなと思ったんです」

詩人・絵本作家 アーサー・ビナードさん
「広島と長崎の実相を必然的に外しているけど、その代わりに核開発のドラマとして、アクションとして描きにくいものが実相として描かれていて」

映画監督・作家 森達也さん
「例えば広島・長崎の現状を科学者たちを集めて伝えるときにオッペンハイマーがずっと下を向いてるんですよ。あのシーンだけでも、いかに悲惨なのか、いかにむごいのか(を描けている)」

映画「オッペンハイマー」は3月29日から全国で上映されます。

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