24年春闘の賃上げ率、4%を上回る可能性=山田・日本総研客員研究員

Kentaro Sugiyama Tetsushi Kajimoto

[東京 13日 ロイター] - 日本総研の山田久客員研究員は13日、2024年春季労使交渉(春闘)における大手企業の高水準な回答状況を踏まえ、最終的な賃上げ率(連合ベース)がベースアップと定期昇給を合わせて「4%を上回る可能性がある」との見方を示した。場合によっては「4.2%から4.3%になってもおかしくはない」という。ロイターとの電話インタビューで答えた。

13日は主要企業が労働組合の要求に回答する集中回答日で、午前からトヨタ自動車、日産自動車、パナソニックホールディングス、日立製作所など満額回答の表明が相次いでいる。

山田氏は、グローバルでの人材獲得競争、国内の人手不足、インフレ経済への移行など賃上げ要因が揃っていると指摘。「大手企業に関しては賃上げトレンドが形成された」と指摘した。

市場では13日の回答結果や、15日の連合の第1回回答集計の結果が良好だった場合、日銀がマイナス金利の解除など金融政策の正常化に動くのではないかとの観測がある。

山田氏は日銀の金融正常化について「4月に向けて少なくとも賃金面で日銀の判断を妨げるものはなくなった。早ければ3月にも日銀が動く可能性もある」との見方を示した。

連合が7日発表した傘下労組の要求賃上げ率(4日時点)は平均5.85%と、30年ぶりに5%を超えた。

連合によると23年の最終的な要求賃上げ率は4.49%。第1回回答集計が3.80%だった。最終集計は3.58%で、比較可能な2013年以降で最も高かった。

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