EU、経済安全保障と防衛で共同借り入れを検討すべき=スペイン

Jan Strupczewski

[ブリュッセル 12日 ロイター] - スペインのクエルポ経済相は12日、欧州連合(EU)は経済安全保障と防衛分野に投資する財源を確保するため、共同借り入れを検討すべきとの見解を示した。共通プロジェクト向けにEUの資金調達拡大を求めるフランス、ベルギー、エストニアの動きに加わった。

クエルポ氏は、EUが化石燃料への依存から脱却するとともに環境に配慮したデジタル技術に必要な原材料を確保するという課題に直面する中、新たなEUの借り入れは現在、多様なEUの投資のための幅広い資金調達を巡る協議の一角を占めていると指摘した。ロシアのウクライナ侵攻を受けて欧州防衛産業の能力を強化するための資金調達も協議される見込みだ。

来週開催されるEU首脳会議の草案には、防衛プロジェクトの資金を調達するため欧州投資銀行(EIB)の貸し出し方針を変更することをEU加盟国政府が支持すると記されている。

クエルポ氏はロイターのインタビューで「こうした経済安全保障に関連する範囲内でEUの共同借り入れは今後、間違いなく担うべき役割がある」と強調。「われわれはバリューチェーン、極めて重要な原材料、エネルギー面での独立について話し合っている。経済安全保障を構成する1つの要素は無論、防衛産業であり、EU以外からの防衛関連の輸入への依存度を引き下げることだ」と述べた。

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