月収27万円・28歳の大卒サラリーマン、〈月1万円〉の積み立て「預金」と「新NISA」を比較…定年まで続けた場合の衝撃の金額差

毎月1万円を積み立て。「預貯金」でコツコツ進めるのと、最近話題の「新NISA」で進めるのと、どれほどの違いがあるのでしょうか?

預金するだけでは、これしかお金、増えないんですね…

――金利がまだマシだから利用していたけど……これしか増えないんですね

大きな溜め息をもらす、30代を目前にした28歳の大卒サラリーマン。大学を卒業して以来、コツコツと月1万円の積立預金をしてきたといいます。その際に選んだのがネット銀行でした。

厚生労働省によると、28歳の大卒サラリーマンの平均月収は27万3,400円。手取りにすると21万円ほどです。都内で1人暮らしだという男性。資産形成に回せるお金は「月1万円」くらいが限界。しかし、資産形成、しないよりもしたほうがいいと思い、コツコツと続けているといいます。

――大手銀行だと「普通預金で0.001%」っていうじゃないですか。ネット銀行だと「普通預金で0.1%」とか。100倍の金利なので、多少は違うのかなって

積立預金開始から5年。その成果は……元金60万円で、利息分1,500円、税金が引かれて合計60万1,195円。大手銀行の0.001%の金利では、利息はまったくつかないので、確かにそれよりはマシではあるものの、思わず溜め息が出てしまうのも分かります。

【積立預金の前提】

毎月積立額…10,000円

利息…0.1%

積立期間…5年0ヵ月

複利方式…年複利

利息組込み…期初

課税方式…複利毎課税(20.315%)

【5年間の積立預金の成果】

元金…60万0,000円

利息…1,195円(税引後)

税引後元利合計…60万1,195円

そんな大卒サラリーマン。定年を迎える60歳まで、この「毎月1万円の積立預金」を続けたとしたら、どれほどになるのでしょうか。上記とすべて同じ条件だったとしたら、元金456万円に対して、利息分は8万7,449円。税引後は462万9,683円になります。

【38年間の積立預金の成果】

元金…456万0,000円

利息…6万9,683円(税引後)

税引後元利合計…462万9,683円

これが大手銀行で金利0.001%の積立だったとしたら、利息は651円。課税後の合計金額は456万0,518円。これと比べると「ネット銀行を選んで良かった」と思えてくるでしょうか。

新NISAで「積立投資」をスタート…複利のスゴイ効果

もし「預金」ではなく、「投資」であればどうなるのでしょうか。

2024年1月から始まった新NISA。投資で得た税金が非課税になる制度なので、より有利に資産形成ができます。同じように毎月1万円をNISAで積み立て、運用利回りは年率1%としてみましょう。定年までコツコツとNISAで積み立てていくと、100万円近い運用利益を得ることができます。

【38年間積立投資の結果(年率0.1%)】

元金…456万0,000円

運用利益…98万3,928円

合計…554万3,928円

もちろん運用利回りが高くなれば、それだけ最終的な資産額にも大きな差が生じます。毎月1万円、年率4%で積立投資を続けていけば、定年までに1,000万円を超える資産を築くことができる計算です。

【運用利回り別・38年間積立投資の結果】

年率1%…554万3,928円

年率2%…680万6,416円

年率3%…843万3,540円

年率4%…1,053万9,431円

年率5%…1,327万4,568円

コツコツと毎月1万円を積み立ていく資産形成。金利0.1%で預金を続けていくのか、それとも投資で数%の利回りを目指すのかによって、最終的にとてつもない金額差が生じます。

投資は早く始めるほど、複利効果が大きくなることは明らか。ただし投資は高い収益を得られる可能性がある一方で、元本割れのリスクもあります。自分が取れるリスクはどれほどか、しっかりと見極めてから投資をスタートさせることが重要です。

[資料]

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』

金融庁『新しいNISA』

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