「地域のみなさんありがとう」震災後初めて町内で卒業式 原発事故で一時全町避難の大熊町 福島

福島県では13日、約1万4500人の中学生が学び舎をあとにし、大熊町の義務教育学校では、震災後初めて町内で卒業式が行われました。

大きな拍手で出迎えられる2人の生徒。大熊町の「学び舎ゆめの森」の卒業生石井埜乃佳さんと、齋藤羽菜さんです。

学び舎ゆめの森・南郷市兵校長「大熊町に帰還して新校舎が落成して、激動の日々を常に最高学年としてけん引して、いつも2人の後にゆめの森の歴史は築かれてきた」

原発事故の後、大熊町にあった小中学校は一時避難先の会津若松市に移転しましたが、去年4月「認定こども園」と小中学校が一体になった「学び舎ゆめの森」が町内で再開しました。町内での再開後、初めての卒業生となった2人。2人が話したのは、先生への感謝、そして大熊町への感謝でした。

石井埜乃佳さん「先生方のおかげで学習に対する意欲がより一層強く持てるようになり、学習に全力で取り組めるようになりました」 齋藤羽菜さん「私たちを温かく見守ってくださった地域の皆様、私たちを快く大熊町に迎えてくださり、本当にありがとうございます。」

式の最後は在校生たちと一緒に、2人にとっては最後になる「ゆめの森」の校歌をみんなで歌いました。

齋藤羽菜さん「辛いことがとても多かったし、しんどいという思いも多かったけど、この3年間楽しく終われたので、とても良い思い出になった」 石井埜乃佳さん「私の将来の夢が保育士になって、実際に私も大熊の保育士さんになりたいなって思っているので、高校に行ったときに実際に双葉郡の子どもたちと交流したいと思っている」

卒業後は県内の高校に進学し、別々の道を歩む2人。多くの人に見守られ学び舎をあとにしました。

© 株式会社テレビユー福島