【結婚祝いの相場】甥や姪の結婚式でいくら包めばいい?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

姪や甥の結婚式にいくら包んだらいいのか、というのは悩ましいところですね。十分な額を出してあげたいけど、家計に響くのも困ります。「大事なのは気持ちです」と、現代礼法研究所主宰の岩下宣子さん。かかったであろう費用に配慮して、かつ無理のない範囲で決めるといいでしょう。

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お祝いの気持ちが大切

50代以降で多いのが、甥、姪の結婚式に招かれるケースです。夫も自分もきょうだいが多いと、出費もたしかに大変ですね。お祝いの額は5万円から10万円と考える人が多く、夫婦で招待され、式場が遠ければ2人分の交通費、宿泊費がかかるうえ、女性は衣装代などもバカになりません。

特にリタイアが迫ってくると、お祝いが負担に感じているという人もいるようです。そんなことを考え、欠席したいと思う気持ちもわかりますが、ご祝儀が出せないから出席できないというのは、少しさびしいですね。

相手は親しみの気持ちから、祝ってほしいと招いたのに、「出席できない」という返事をもらうのは寂しいことです。また、参列してくれた人が、実はお祝いを負担に感じていたことを後から知るのもショックなことだと思います。

最も大切なのは、祝福する気持ちです。見栄を張って多めの金額を出しても、相手の心にはそれほど残らず、こちらの家計が苦しくなるのでは本末転倒ですね。甥や姪が多い人は、きょうだいで話し合ってみてはいかがでしょう。

それでも負担なら、それほど親しくしていない甥や姪の結婚式は失礼して、お祝い金に言葉を添えて贈るのでもいいと思います。相手が納得しやすい理由を添えるといいですね。

贈り物は現金が一般的

お祝いは、当人たちが好きなように使えることから、最近は現金が一般的です。披露宴に出席できない場合などは、記念に残る品物を贈る場合もあります。

本来はあらかじめ自宅に届けるのが正式なのですが、最近は、お祝い金は披露宴当日に持参するケースが多くなっています。品物は、当日持参するのは迷惑なので、事前に届けるか配送の手続きをしましょう。

媒酌人を務める場合やごく近しい間柄のときは、挙式の1週間前までの吉日(先勝、友引、大安など)の午前中に、新郎または新婦の自宅に持参します。先方の都合を確かめてから出向きましょう。

お祝い金の目安

下記の表に一般的なお祝い金の額を紹介しましたので参考にしてください。親族間の暗黙の金額があったり、地域によっても異なるので、あくまでも目安です。迷ったときは、自分と似た立場の人に聞いてみるのもいいですね。

披露宴に出席する場合

間柄 1人で出席 夫婦で出席

兄弟姉妹 5万〜10万円 10万〜20万円
甥、姪 5万〜10万円 10万〜20万円
いとこ 3万〜5万円 5万〜10万円
その他の親戚 3万〜5万円 5万〜10万円
勤務先の上司 3万円
勤務先の同僚 3万円
勤務先の部下 3万円
友人・知人 2万〜3万円 5万〜7万円
※金額は目安です

披露宴に出席しない場合

間柄 1人で出席

兄弟姉妹 3万〜5万円
甥、姪 3万〜5万円
いとこ 1万円
その他の親戚 1万円
勤務先の上司 5000〜1万円
勤務先の同僚 5000〜1万円
勤務先の部下 1万円
友人・知人 1万円
※金額は目安です

また、以前に相手からいただいたことがあれば、同額にするのが目安ですが、結婚式の規模などにも左右されるので、無理のない範囲で調整すればいいでしょう。

お祝いをいただいたときは、専用のノートをつくって記入しておくと、のちのち参考になるので便利です。

金額は縁起のいい数字に

一般に結婚祝いに偶数の金額を包むのは「割れる」として縁起が悪いとされますが、2万円は「ペア」を意味するという考え方もあります。「4」は死、「9」は苦に通じるのでNGです。

甥、姪の結婚式に夫婦で出席する場合など、たとえば2人分で6万円と思ったときは、奮発して7万円贈るか、5万円にして、別にお祝い品を贈るというのがいいでしょう。

結婚式はあらかじめわかっていることですから、きちんと新札を用意するのもたしなみです。新しい暮らしを始める2人を新しいお金で祝いたいと、準備しておく気持ちが大切なのです。

※この記事は『50代からの冠婚葬祭きちんとマナー』岩下宣子監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

※2023年8月7日に配信した記事を再編集しています。


監修者
現代礼法研究所主宰 岩下宣子

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

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