キャセイ航空、4年ぶり黒字 コロナ禍から旅客回復

[香港 13日 ロイター] - 香港のキャセイ・パシフィック航空が発表した2023年通期決算は純損益が2019年以来の黒字に転換し、新型コロナウイルス禍からの業績回復が顕著となった。これを受け、株価は4年ぶりの高値を付けた。

純利益は97億9000万香港ドル(12億5000万ドル)。今年は従業員を5000人(約20%)増員する計画も明らかにした。

普通株主への配当を19年以来初めて再開する。

売上高は85%増の945億香港ドルだった。

香港市場で株価は6%超値上がりし、20年2月以来の高値を付けた。

パトリック・ヒーリー会長は、コロナ関連の渡航制限解除後の需要急増が好業績に寄与したと説明。香港と中国本土の海外渡航制限は23年序盤に解除された。

24年第2・四半期中にコロナ禍前の旅客便数の80%、25年第1・四半期中に100%の到達を目指すとした。

同社は人員不足により欠航や減便を余儀なくされてきた。また、昨年は世界の航空便数と旅行需要に不均衡が生じ、航空券が値上がりし、旅客単価が上昇した。

ロナルド・ラム最高経営責任者(CEO)は24年は航空各社が輸送能力を一段と増強するのに伴い、この不均衡が縮小し、旅客単価が正常化に向かう見込みだと述べた。

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