「ATMで還付金を受けとれる」は詐欺、そらそうよ-。兵庫県警はプロ野球・阪神タイガースの岡田彰布監督が特殊詐欺被害防止を呼びかけるポスターを作成し、13日から掲示を始めた。県内では昨年、特殊詐欺被害の認知件数が1224件に上り、統計史上過去最悪を更新。県警は阪神を38年ぶりの「アレのアレ(日本一)」へ導き、新語・流行語大賞に輝いた「時の人」に、相次ぐ詐欺被害への注意喚起を託した。
県警が昨年、県内で確認した特殊詐欺被害のうち、「架空料金請求詐欺」は511件。「還付金詐欺」は355件で、二つの手口で全体の約7割を占めた。今年も同様の傾向が続き、1月末時点の被害件数60件のうち、両手口が約6割だったという。
県警は二つの手口への注意喚起に狙いを絞り、啓発ポスターを作成した。岡田監督が仁王立ちや腕組みをし、いずれも「大切なアレをだましトラれるな!」と促している。ポスターは2種類計1万枚を用意し、警察署のほかに公共施設や商業施設などにも掲示する。チラシ計10万枚も準備し、イベントなどで今後配布する予定という。
県警生活安全企画課の池添塁次席は、岡田監督に出演を依頼した理由を「日本一を果たし、誰もが知っている人。より多くの人にポスターを見てもらえると思った」と説明。注目度を高めることで防犯意識を促し、被害防止と特殊詐欺犯のアレスト(逮捕)につなげたい考えだ。
池添次席は「少しでも不審に思えば、相談や110番をしてほしい」と呼びかけた。(篠原拓真)