“奥能登の酒”完成間近 輪島の酒蔵から酒米とレシピ預かり醸造 復興願い「思いを寄せて味わって」

輪島の酒蔵から酒米とレシピ預かり醸造

復興支援です。2月、長野県木祖村の酒蔵が石川・輪島市で被災した酒蔵から酒米とレシピを預かり、醸造を代行するというニュースをお伝えしました。完成が近づき13日、ビン詰めの作業が行われました。

次々と注がれる日本酒。木祖村の湯川酒造店です。

間もなく完成するこの酒、銘柄は「奥能登の白菊」。輪島市の白藤酒造店の代行で醸造したものです。

湯川酒造店杜氏・湯川慎一さん:
「なんとかお酒になったのでとにかくホッとしている」

白藤酒造店は能登半島地震で店舗や住居が倒壊。タンクや機械が使えなくなりました。

今年の酒造りを断念せざるを得ない状況となる中、15年ほど前から付き合いがあった湯川酒造店が酒造りの代行を申し出ました。

湯川酒造店・湯川尚子社長:
「(別の場所で)お酒が造れるということが、前向きになれるひとつのことではないかと勝手ながら想像して、そういう一助になればと」

酒米とレシピを預かり3月から仕込み開始。環境が違う中でできるだけ白藤酒造店の味に近づけていきます。

湯川酒造店杜氏・湯川慎一さん:
「失敗できないので…失敗したらシャレにならんと緊張感がある」

12日までに「搾り」が終わり13日はビン詰めの作業。1660リットル、4合ビンで2300本を詰めていきます。

気になる味は…

湯川酒造店杜氏・湯川慎一さん:
「味の密度感、後味の切れ味の良さは湯川っぽさを残しながら白藤さんの狙っている純米吟醸のレンジには入ってきていると思う」

このあと1週間ほど寝かしてから加熱殺菌が行われ、4月上旬に出荷される予定です。

石川県や県内で販売し、売り上げは白藤酒造店に入ります。

湯川酒造店・湯川尚子社長:
「白藤さんのお酒に近づけたものに仕上がったと思う。能登地方に思いを抱きながら一口一口味わってほしい」

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