攻撃でうまく休む――高度な守備を誇る横浜FCは“奪った後”をどうするか。和田拓也は「やれることはもっとある」と期待

横浜FCは3節・山形戦で今季初勝利を挙げた。開幕から2分けで迎えたホームでの一戦は、カプリーニと中野嘉大の得点で2-0。待望の勝点3を掴んだ。

とりわけ印象的だったのが、連動性に富む守備だ。ハイプレスを仕掛けても、自陣でブロックを組んでも、相手のボールホルダーをけん制しつつ、チーム全体で次の展開を予測して素早くポジションを取り、堅陣を築く。

ほとんどピンチらしいピンチがなかった一方で、ボールを奪った後の展開は気になった。思うようにパスがつながらず、すぐにまた守備に回らなければならなくなる。

ポゼッションでは相手を下回った。ただ、ボランチの和田拓也は「ボールを持たなかったことに関しては、別にそれはいいと思っている」という。

しっかりと自分たちでゲームをコントロールできているのであれば、ボール支配率にはそこまでこだわらない。もっとも、「もう少しボールを大事にしたほうがいいシーンで、前に早く行き過ぎて、ロストしてしまう」ところは、改善の余地があると和田は考えているようだ。

【厳選ショット】カプリーニの先制弾&仕上げは中野嘉大!横浜FCが今季初勝利!|J2第3節 横浜FC2-0山形
マイボールにして、必ずしも得点を狙いにいく必要はない。最終ラインでパスを回したり、サポートを早くしたり、裏を取ったSBが収められるように確実にフィードするなど、簡単に奪われないプレーがもっと増えてもいい。

「あの強度で(守備を)やり続けて、良い面も出たけど、アラが目立ったというか。もう少し体力的にもうまく90分をマネジメントしながら、攻撃でうまく休んでというほうが、ゲーム(山形戦)の満足度としては高かったかな」

ボール保持にかかわらず、いかに自分たちが主導権を握って試合を進められるか。和田は「やれることはもっとある」とチームの伸びしろに期待する。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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