IR誘致の再挑戦 長崎県「相当ハードル高い」 国への不服審査請求は見送り

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備計画の不認定を巡り、長崎県は13日の県議会総務委員会で、国に対する行政不服審査請求を見送ると明らかにした。IR誘致の再挑戦については、現時点で「判断できない」としつつも、現行制度では「相当程度ハードルが高い」との見解を示した。
 県はIRに詳しい有識者を交えて検証した報告書案を総務委に提出。今後の対応を説明した。
 県は2022年4月、佐世保市のハウステンボス(HTB)にIRを整備する計画を国へ申請。昨年末、「資金調達が不確実」などとして退けられたため、同審査請求を検討していた。
 請求を見送る理由として、県はHTBとの用地売買契約や一部のコミットメントレター(出資・融資の意思表明書)がすでに失効した点などを説明。現状の計画は実現が困難で、審査結果を覆せる可能性は低いと判断した。行政事件訴訟法に基づく不認定の取り消しも求めない方針。
 一方、計画の再申請は、国の追加募集が未定のため「何ら判断できない」としつつも、多大なコストや労力、時間が必要となるほか、「国の審査委員会の裁量が大きい」などと指摘。現行制度では「地方におけるIRのチャレンジは相当程度ハードルが高い」とした。

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