長崎街道230キロを踏破 73歳、村田さん(長崎出身) 街道制覇は九つ目 同級生の出迎えに喜び

長崎街道を踏破した村田さん(中央下)と出迎えた長崎東高の同級生=長崎市

 長崎市出身の村田清さん(73)=さいたま市在住=が12日、江戸時代に西洋の文化や技術を伝える幹線道路だった長崎街道(北九州市-長崎、約230キロ)を踏破した。街道制覇は今回で九つ目。同市桜馬場1丁目のゴール地点では、県立長崎東高の同級生が出迎え、村田さんは「たくさん待っていてくれて驚いた。うれしいですね」と照れくさそうに喜んだ。
 村田さんは同校から長崎大経済学部に進学。卒業後は関東の企業に就職し、60歳で定年退職した。その際、知人から「ほっといたら(体に)いっぺんにガタがくる」と忠告を受け、毎朝2時間のウオーキングを開始。1分間に110~115歩という最適なペースを見つけ、自分が「意外と歩ける」ことに気付いた。
 再就職を経て、65歳で完全リタイア。66歳で世界一周の船旅に出た。刺激的な世界が広がっていたが、船内を見渡すと、自分より高齢の人が多い。「(船旅は)もっと年をとっても楽しめる。体が動くうちにできることをやりたい」。67歳で挑んだ中山道を皮切りに、これまで五街道をはじめ、八つの街道を踏破した。
 長崎街道の挑戦は今月5日、北九州市小倉北区をスタート。経過を「東高21回生」の45人が入るLINE(ライン)グループに投稿しながら歩いた。ゴール地点には、メッセージを見た同級生6人が自然に集結。踏破を一緒に喜び、つかのまの再会を楽しんだ。
 村田さんが最初に立てた目標は「70歳で1日30キロ、1週間連続で歩く」。それをクリアし、次は「80歳で1日20キロ、1週間連続で歩く」ことを掲げる。ただ今回、長崎街道の踏破を目指して長崎方面から歩く高齢夫婦と佐賀市内で出会い、目標のハードルが少し上がったようだ。「ご主人は85歳で1日15~20キロを歩いていた。私もそのくらいまで頑張らないと」
 ゴール後、近くの桜馬場天満神社で無事踏破のお礼参りを済ませた村田さん。「今日はまだそこまで疲れてませんよ」とさっそうと歩き始め、すぐに姿が小さくなった。

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