思い出は「一生の宝物」 来月から休校予定の西海・平島小中学校 中学生2人卒業式、学びやに別れ告げる

山田校長から卒業証書を受け取る林さん(右)=西海市、平島小中

 4月から休校予定の長崎県西海市崎戸町の市立平島小中学校(山田芳幸校長)で13日、中学の卒業式があり、合田海斗さんと林利空さん=いずれも(15)=が9年間過ごした学びやに別れを告げた。
 五島灘の平島にある同校の中学生は合田さんと林さんの2人だけ。林さんの妹で小学5年の美羽さん(11)と4年の裕依さん(10)も新年度から佐世保市内に転校するため、児童生徒がいなくなる。
 式には杉澤泰彦市長や渡邊久範教育長、住民ら約30人が出席。山田校長が卒業証書を授与し「自信を持って未来を楽しんで。大きく成長したあなたにまた会えることを楽しみにしている」と式辞。林さんの妹が、門出を祝う言葉を贈った。
 県立佐世保南高(佐世保市)に進む林さんは「平島の15年間の思い出は一生の宝物。経験を力に変えて、選んだ道へ旅立ちます。今まで本当にありがとうございました」と声を詰まらせながら別れの言葉。卒業生と教職員らが卒業ソング「大切なもの」を歌い、出席者全員で校歌を斉唱した。
 会場の体育館には、校長室にあったアルバムが展示され、来場者が懐かしそうに見入った。卒業生の東修さん(66)は「子どもたちの声が聞けなくなるのが寂しい」と話した。
 同校は初等平島小として1874年創設。1947年に小中併設となった。同校によると、61年には371人が在籍。この日卒業の2人を含め2332人(中学1143、小学1189)を送り出した。

© 株式会社長崎新聞社