「辞めるのは簡単。辞めるのは敗者だ」鎌田所属のラツィオ、電撃辞任のサッリに批判の声!「閉幕数か月前にチームを離れるものじゃない」

ラツィオのマウリツィオ・サッリ監督が辞任を申し出た。自らベンチを去ることにした決断は、クラブにどのような影響を及ぼすのか。

3月11日のセリエA第28節で、ラツィオはウディネーゼにホームで1-2と敗れた。直近の3連敗を含め、ここ7試合で5つ目の黒星だ。9位のラツィオは4位ボローニャと11ポイント差になり、来季の欧州カップ戦出場権獲得が危ぶまれている。

バイエルンを相手にチャンピオンズ・リーグでベスト16敗退に終わった際、メディアは今季限りでのサッリ退陣の可能性を報道。クラブは公式声明で他の指揮官との接触を否定し、サッリへの「全幅の信頼」を強調した。

しかし、イタリア衛星放送『Sky Sport』によると、ウディネーゼ戦の試合後、本拠地オリンピコの観客からは、クラブやチームだけではなく、初めてサッリ監督に対してもブーイングが飛んだという。また、60分に交代を命じられた主将チーロ・インモービレの不満げな様子も話題となった。

成績不振に加え、チームとの関係悪化も噂されるなか、サッリは12日に辞任の意向をクラブに伝えた。地元メディアは、クラウディオ・ロティート会長が最終的に受け入れたと報じている。

コーチングスタッフは続投で、当面はアシスタントのジョバンニ・マルトゥシエッロが指揮を執る見込み。だが、下部組織を率いるレジェンドOBのトンマーゾ・ロッキや、元ドイツ代表のミロスラフ・クローゼ、セリエAでの監督経験を持つイゴール・トゥドールらの名前が後任候補としてあがった。

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契約が2025年まで1年以上残っているとあり、一部サポーターの中には、自ら辞する道を選んだサッリを称える者もいるようだ。しかし、かつてサッリが指揮を執り、見事なサッカーで世界を沸かせたナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は、元監督を批判している。

『Gazztta dello Sport』紙によると、デ・ラウレンティス会長は「辞めるのは簡単。辞めたら敗者だ。とても驚いている。クラブやサポーターとの契約の問題から、良くも悪くも最後まで進めなければならない」と話した。

「もう指導者キャリアを始めたばかりではないなら、最後まで責任を負って全うしなければいけない」

「内部的な理由は知らないが、彼もクラウディオ・ロティート会長も、一緒に解決策を見つけるべきだった。閉幕数か月前にチームを離れるものじゃない」

鎌田大地が今季限りで退団するとも言われているラツィオにとって、今シーズンの残りはどのようなものとなるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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