独不動産危機、あと2年続く公算=コメルツ銀不動産部門幹部

Iain Withers

[カンヌ(フランス) 14日 ロイター] - 独コメルツ銀行の不動産部門のトップは、ドイツが4年にわたる不動産危機の中間地点にあるとの見方を示した。今後さらに損失が拡大し、不良化した不動産の投げ売りが増えると予想した。

借入コストの急上昇とリスクの高い融資の増加により、ドイツでは少なくとも2007─09年の世界金融危機以降で最も深刻な不動産不況に陥っている。

コメルツ・リアルのヘニング・コッホ最高経営責任者(CEO)は今週フランスのカンヌで開催された不動産業界の会合で、「2年の危機を経て今は折り返し地点にいると考えている。今後も危機が2年続くとみている」と語った。

不動産市場から資金を引き揚げる投資家が増え、より多くの不動産所有者が資産の売却を余儀なくされるとの見方を示し、「まだ困難で長い道のりが待ち構えている」と述べた。

独不動産業界が直面する困難はコメルツ・リアルにとって買いの機会でもあり、経営破綻したオーストリアの不動産大手シグナが保有する複数のプロジェクトの売却計画を注視していると明かした。

ドイツの銀行ファンドブリーフバンク(PBB)は不動産エクスポージャーへの懸念から株式や債券が暴落している。PBBの独不動産金融部門の責任者ゲルハルト・マイティンガー氏はロイターに、よりリスクの高い融資を引き受ける資産運用会社や保険会社と比べて同行のリスクは低いと述べた。

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