”黄金世代対決”は伊藤美誠に軍配! ファイナルゲームまでもつれ込む接戦を制し8強進出!”勝敗分けた”大激闘を回顧「第4ゲームで挽回できた」【卓球・シンガポールスマッシュ】

白熱の”黄金世代対決”が実現した。

連日熱戦が繰り広げられている卓球の「シンガポールスマッシュ2024」の女子シングルス3回戦が現地3月14日に行なわれ、平野美宇と伊藤美誠の日本人対決はフルゲームの大接戦を伊藤が3-2で制し、ベスト8に駒を進めた。

【PHOTO】早田ひな、伊藤美誠、平野美宇、張本美和...女子卓球界が誇る“異次元の天才”たちを一挙にチェック!

先制したのは伊藤。序盤は両者互角のラリーを展開するが、最後は伊藤の力強いフォアハンドが炸裂し、第1ゲームを11-8で奪う。

第2ゲームも一進一退の攻防。平野のバックハンドを打ち返すなど、伊藤のカウンターが光る。終盤は激しいラリーを伊藤が制し、ガッツポーズを見せたが、最後は平野が12-10で押し切り、星を五分に戻す。

第3ゲームは伊藤のバックハンドのミスもあり、平野が11-7で王手。平野のロングサーブに徐々にタイミングが合わず、ミスが出てきた伊藤は思わず「ああ~」と声を漏らす場面も。第4ゲームは平野が序盤に点差を広めるが、伊藤も粘りの卓球を見せて8-9と1点差に迫ったところで平野は思わずタイムアウトをとり、体勢を立て直す。

タイムアウト明け、先にポイントを取ったのは平野。ベスト8進出のマッチポイントを握るが、伊藤も勝利への執念を見せて同点に追い付く。息詰まる展開のなかデュースにまでもつれ込んだ熱戦は、伊藤が16-14でモノにし、逆転勝利。勝負の行方は、ファイナルゲームで決着する展開になった。
運命の第5ゲームは、まさかの一方的な展開に。伊藤が序盤から点差をつけ、あっという間にマッチポイント。平野に1点しか与えず、伊藤が大逆転で8強進出。パリ五輪のシングルス代表選考レースで涙を飲んだ伊藤が、同世代対決を制した。

伊藤は試合後のインタビューで、「4ゲーム目を挽回して勝つことができた。自分の中でリフレッシュして最終ゲームに臨めた」と大接戦だった第4ゲームをモノにできたことが勝利につながったと強調。「最近は日本での国内選考会があったので、平野選手と一番対戦していて、お互い知っている。何かひとつでも崩せたらなと思って頭をフル回転させて頑張りました」とライバルとの激闘に充実した表情で振り返り、最後は観客に笑顔を振りまいた。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社