元世界6位のベレッティーニが約半年ぶりの復帰戦を白星で飾る!「とても長かった。プレーできて本当にうれしい」<SMASH>

現在行なわれている男子テニスツアー下部大会「アリゾナ・テニス・クラシック」(3月12日~17日/アメリカ・フェニックス/ハードコート/ATPチャレンジャー175)は現地12日にシングルス1回戦が行なわれ、度重なる故障で戦列を離れていた元世界ランク6位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア/現154位)が約半年ぶりに実戦に復帰。23歳のユーゴ・ガストン(フランス/同85位)を3-6、6-3、6-1の逆転で下し、復帰戦を見事白星で飾った。

ベレッティーニにとっては足首を負傷した昨年9月の全米オープン以来となる大会出場。本戦ワイルドカード(主催者推薦)で待望のカムバックを遂げた27歳が、粘りのプレーで価値ある復帰戦勝利をつかみ取った。立ち上がりはフォアハンドでのミスが続いたこともあって第1セットをあっさりと落としたベレッティーニだったが、第2セット以降はブランク明けとは思えない素晴らしいプレーを披露する。

ベースラインからのアグレッシブな攻撃を軸にポイントを重ね、相手に1度もブレークポイントを与えることなくセットオールに。ファイナルセットでも4度のブレークに成功し、1時間40分で試合を締めくくった。
計10本のサービスエースに加え、ファーストサービスでのポイント獲得率は80%以上と、持ち前の力強いテニスは健在だった。試合後のインタビューでベレッティーニはこれまでの苦しかった日々を振り返りつつ、「すごくうれしいよ。10年ぶりだからね!」とジョークを交えてコメント。改めて喜びの言葉をこう続けた。

「(復帰まで)とても長かった。最後の試合から7カ月近く経っている。『プレーできて本当にうれしい』と、第1セットを落とした後に自分に言い聞かせたんだ。プレーできることに感謝するばかりだったから、勝てて本当にうれしい」

ちなみにアリゾナ・チャレンジャーは、ツアーで頭角を現す前のベレッティーニが2019年に優勝を飾った思い出の舞台である。それを踏まえてイタリアテニス界の名手は「ここはとても素晴らしいコートで、この場所でタイトルを獲得したのは素晴らしい思い出だ。ここでシーズンをスタートできてうれしいし、もっと多くの試合ができることを願っている」と奮闘を誓った。

なおベレッティーニは2回戦で世界77位のアルトゥール・カゾー(フランス/21歳)と対戦する。今大会の優勝者にはチャレンジャー最大規模となる175ポイントが付与されることもあり、ランキングを戻すためには1つでも多く勝ち上がりたいところ。次戦も期待の新鋭を相手にどんなプレーを見せてくれるのか注目だ。

文●中村光佑

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