[ロンドン 14日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は14日公表した月報で、コロナ禍後の混乱が落ち着き、経済の先行きが不透明になっていることから、今年の石油需要は抑制されるとの見通しを示した。
短期的には輸送を巡る混乱が追い風となると指摘した。
「新型コロナ流行中の極端な乱高下を経て(需要の伸びは)過去の基調に戻る」と予想した。
「自動車の燃費改善や電気自動車(EV)保有台数の拡大と同様に、世界的な景気減速は石油の需要にさらなる逆風となる」と分析した。
IEAは今年の需要を日量130万バレル増と、昨年から100万バレル減少するとみている。ただ紅海でのフーシ派の攻撃により輸送ルートが長くなったため、前月の予測からは11万バレル引き上げた。
主要中央銀行のハト派的なシグナルは経済低迷からの脱却を示しているが、中国のさえない経済指標が引き続き懸念されるとした。
「中国の優位性が徐々に薄れていく中でも、(石油需要の)伸びは引き続き経済協力開発機構(OECD)非加盟国に大きく偏るだろう」とし、中国の需要の伸びは23年の日量170万バレルから24年には62万バレルまで減少するとした。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要な産油国で構成する「OPECプラス」が24年いっぱい自主削減を維持した場合、市場は供給過剰ではなく若干の供給不足になるとの見方を示した。
前回の減産発表を市場が織り込んだ後、3月上旬の石油価格はレンジ内にとどまったとした。
OPECプラス以外の国からの供給増加が石油需要の伸びを大幅に上回ると予想した。