シェル、30年の炭素削減目標を下方修正 ガス需要旺盛

Ron Bousso

[ロンドン 14日 ロイター] - 英石油大手シェルは14日、2030年の炭素削減目標を下方修正するとともに、35年の目標を撤回した。

再生可能エネルギーを含む電力販売が従来予想を下回る見通しとなったことや、液化天然ガス(LNG)などのガスがエネルギー移行で重要な役割を果たすと予想していることが背景。

50年までに排出量を実質ゼロにする目標は据え置いた。

今回の目標変更はワエル・サワン最高経営責任者(CEO)の戦略修正の柱となる。収益拡大に向け、利益率の高いプロジェクト、安定した石油生産、天然ガスの生産拡大を重視する。

英同業BPも、株主から収益拡大を求める圧力が強まり、昨年、石油生産や排出量の削減目標を下方修正している。

シェルは30年までに自社のエネルギー製品のネット炭素強度を16年比で15─20%削減すると表明。従来目標は20%削減だった。

35年までに炭素強度を45%削減する目標は撤回した。

一方、顧客に販売するガソリンやジェット燃料など石油製品からの排出量全体を30年までに21年比で15─20%削減する「野心的な」目標も導入した。

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