OP戦好調のカブス鈴木誠也、MLB3位のスタッツを誇った昨季終盤のパフォーマンス再現に期待の声「本人は今シーズンも同じことが出来ると信じている」

さらなるブレイクの予感を漂わせている。

シカゴ・カブスの鈴木誠也はここまで、オープン戦で順調に試合出場を続けてきており、メジャー3シーズン目での飛躍が期待されている。脇腹の故障で出遅れた昨季とは異なり、今季は万全のコンディションを維持し開幕に向かう。

昨年は最終的に、打率.285、本塁打20本、74打点と、ルーキーシーズンを大きく上回る成績を残した。規定打席にも到達し、プレーオフ争いの中で最後まで打線の中軸を担うなど存在感を放った。特に、9月以降の打率が3割を大きく上回るなど、不振に喘いだ夏場までとは一変、終盤で打棒が猛威を振るった。

当然、その好調ぶりが今季開幕から発揮されるものと、すでに現地メディアではイメージを膨らませているようだ。メジャー公式サイト『MLB.com』が3月13日、鈴木の昨季のパフォーマンスを振り返る特集記事を配信している。

同メディアは、昨年途中、鈴木が夏場にスタメン落ちなども経験した後、8月半ばから一気に数字が上向いたとして、終盤2か月間のWRC+(打席あたりの得点創出の多さを表す指標)がメジャー全体で3番目だったと指摘。「この期間に彼より上位にランクされたメジャーリーグの打者は、ムーキー・ベッツとマーセル・オズナの 2人だけだった」などと強調した。さらにそのデータを踏まえ、「このリストを見る限り、スズキはシーズンを終えた時点で最高の打者の一人だったと言っても過言ではない」と評している。

また、鈴木が夏場での欠場を機に、コディ・ベリンジャー、イアン・ハップといった主力選手のルーティーンを参考にしたうえで、早いカウントからの積極的なスイングを心がけるようになったことが、終盤のパフォーマンスに繋がったと説明。「8月、スズキの最初の3球以内のスイング率はシーズン最高の28%まで上昇した。9月には22.4%に下がったが、それでも最初の4か月のどれよりも高い。その結果、スラッギングが跳ね上がり、三振率が減少した」と好調の要因に言及している。

トピックでは、「スズキは今シーズンも同じことが出来ると信じている」と綴られており、鈴木本人が現在の状態について、「シーズンを終えた時と同じような感覚を継続できている。そして、今シーズンも同じメンタリティで臨めるような気がしている。この先が本当に楽しみです」と意気込みを語ったことも紹介している。

自らのコンディションを伝えるその言葉からは、紛れもない自信が窺える。今季は開幕から、鈴木のバットがどれだけ快音を響かせるか、期待は膨らむばかりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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