さよならサンダーバード、しらさぎ…JR今庄駅で惜別イベント 金沢―敦賀間ラストラン控え住民ら

北陸新幹線延伸によって運行が取りやめになる特急を見送る住民や生徒ら=3月14日、福井県南越前町のJR今庄駅

 北陸新幹線福井県内開業に伴い、JR北陸線金沢―敦賀間の特急は3月15日がラストランとなる。14日は福井県南越前町の今庄駅周辺で、住民ら約100人がひと足早い“見納め”イベントを開き、お手製の旗を手に、勢いよく通過する特急列車を目に焼き付けた。

 今庄宿の事業者ら有志でつくる一般社団法人旅の宿今庄夢乃舎が企画した。この日のために、白地に青の帯で「サンダーバード」、オレンジのラインを加えて「しらさぎ」をそれぞれ表現した旗を手作りした。

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 今庄駅に現在、特急は停車しないが、かつて旧国鉄時代には峠越えの要衝として栄えた歴史がある。

 午後3時ごろからの見送りイベントには幅広い世代が集い、町外の鉄道ファンの姿も見られた。「来た来た!」。ライトを照らした特急が姿を見せると住民らは夢中で旗を振り、「今までありがとう」と声をかけた。

 「今庄は国鉄のまち。鉄道を愛する心が根付いている」と夢乃舎理事の上山優美さん(60)。参加した中学2年の女子生徒は「生まれたときからずっと走っていた特急。さみしいけれど、みんなでお別れできてうれしい」と笑顔だった。

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