「丁寧な説明」は言葉だけか…事故原因明らかにしないままオスプレイ飛行再開、塩田知事ら鹿児島県内首長は不満あらわ

オスプレイの飛行再開について説明する九州防衛局の池田眞人次長(右)=14日、鹿屋市役所

 在日米軍が輸送機オスプレイの飛行を再開した14日、鹿児島県内の関係自治体の首長は「事故原因が明らかにされていない」などと不信感をにじませ、拙速との声が相次いだ。

 塩田康一知事は県庁で取材に応じ「丁寧な情報提供を繰り返し要請していたが、事前の連絡がなく極めて遺憾。徹底した安全対策と丁寧に情報提供するよう国に強く求める」と不満をあらわにした。

 13日に県庁を訪れた九州防衛局の池田眞人次長は「飛行再開時は連絡する」と説明していた。塩田知事は14日、報道で再開を知り、県が同局に事実関係を問い合わせたという。「再開したとの連絡がなかった。きちんと対応していただく必要がある」と苦言を呈した。

 昨年11月に沖合で墜落事故が起きた屋久島町の荒木耕治町長は12日に続き、九州防衛局の遠藤敦志企画部長らの訪問を受けた。「事故現場海域の水質など、環境への影響調査が終わっていない中での飛行再開は早すぎるのではないか。町民にもそうした懸念の声がある」と指摘した。

 海上自衛隊鹿屋航空基地で、オスプレイ飛来を伴う米軍機訓練を受け入れている鹿屋市の中西茂市長は、同局の池田次長らと市役所で面会した。再開に理解を求める池田次長に対し「納得したわけではない。安全を極限まで追求してほしい」と注文。不具合の原因が明らかになっていないことに「道半ばで再開した印象だ」と述べた。

 中西市長は面会後、「今後オスプレイが鹿屋基地に飛来する事があれば、国に丁寧な事前説明を求める」と話した。

米軍オスプレイの飛行再開について屋久島漁協に説明する九州防衛局の遠藤敦志企画部長(左)=14日、屋久島町安房

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