USスチール、米国内での所有・運営維持が不可欠=バイデン氏

Trevor Hunnicutt

[ワシントン 14日 ロイター] - バイデン米大統領は14日、米鉄鋼大手メーカー、USスチールX.N>は米国内で所有・運営される企業であり続けなければならないとし、日本製鉄による同社買収に反対する姿勢を示した。

バイデン氏は、米国は「米国の鉄鋼労働者によって運営される強力な米鉄鋼会社を維持する必要がある」と指摘。「USスチールは1世紀以上の間、象徴的な米鉄鋼会社であり、国内で所有・運営される米鉄鋼会社であり続けることが不可欠だ」と述べた。

USスチール株は14日の取引を6.4%安の38.26ドルで終了した。

現時点でUSスチールのコメントは得られていない。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領はこの日、全米鉄鋼労働組合(USW)のデービッド・マッコール会長と電話で話し、鉄鋼労働者を支援していると改めて伝えた。

マッコール会長は声明で「わが国最大の鉄鋼メーカーの一つが外資系企業に買収されることは、わが国の防衛と重要インフラの両方のニーズを満たす上で、われわれを脆弱にする」と指摘。「大統領の発言は、この論争に終止符を打つものだ」と述べた。

今年の大統領選で再選を目指すバイデン氏にとって、労組は重要な支持母体の一つ。マッコール会長は声明で、バイデン氏の「揺るぎない支援」に謝意を示した。

バイデン氏が日本製鉄によるUSスチール買収を阻止するために米規制当局を利用するかは現時点で不明。

B・ライリー・ウェルスのチーフマーケットストラテジスト、アート・ホーガン氏は「海外企業が米国企業を買収しようとする場合、常に複雑な問題が発生する」とし、「選挙の年に米製造業の象徴である企業の買収を全ての利害関係者に納得してもらうのは大変なことだ」と語った。

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