「本当に平野美宇より劣っているのか?」パリ五輪代表を逃した伊藤美誠の“逆襲”に中国メディアも注目!「勝利で実力を証明した」【卓球・シンガポールスマッシュ】

卓球・シンガポールスマッシュの女子シングルス3回戦が3月14日、シンガポールで行なわれ、世界ランキング12位の伊藤美誠(スターツ)は同18位の平野美宇(木下グループ)をゲームカウント3-2で破り、準々決勝進出を決めた。

第1ゲームは伊藤が11-8で先取するも、第2ゲームは10-12で平野に奪われる。続く第3ゲームも伊藤が7-11で落としたが、第4ゲームはデュースの末に16-14で奪い返し、再び振り出しに戻した。そして、最終第5ゲームは余力を残していた伊藤が11-1であっさり奪い、逆転勝利を収めた。

世界ランキングでは上位に立っているものの、パリ五輪シングルス代表争いでは平野に敗れ、団体戦3枠目からも漏れた。そんな悔しさをバネに再起を図った伊藤に中国メディア『捜狐』も注目し、「パリ五輪出場を逃した伊藤美誠が、フルゲームの末に3-2で平野美宇を破った」と大々的に報じた。

まず、同メディアは「この試合は伊藤美誠にとって非常に重要な試合だった。伊藤が出られないパリ五輪に平野は出場できるからだ」としたうえで、「しかし、本当に伊藤は平野より劣っているのだろうか?」と疑問を投げ掛けた。
同メディアは「東京五輪後、伊藤は少し停滞した。とりわけ、日本勢との対決で苦戦することが多かった」とここ数年の試合を回顧。そのうえで、“みうみま対決”を制したことに対し、「そして今、伊藤は勝利で実力を証明した」と伊藤が復活の兆しを見せていると伝えた。

さらに、同メディアは「パリ五輪への切符を逃した伊藤はプレッシャーから解放された。今大会では伊藤が好成績を収め、さらに前進を続けている」と記述。「きっと伊藤は4年後のオリンピックへの出場を望んでいるだろう。結局のところ、彼女はオリンピックチャンピオンでもあり、日本卓球の歴史を変えたのだ」と強調した。

試合後のインタビューで伊藤は、「日本人対決で勝利できたことはすごく良かった。『意地でも勝つ』という気持ちのなかで、楽しんで試合ができた」とコメント。次戦に向けて「今日はしっかり休んで、いっぱい食べて、いっぱい寝て明日頑張りたいと思う」とすっきりした表情を見せた。

構成●THE DIGEST編集部

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