「おにぎりを食べるのか!」張本美和の“勝負メシ”が意外な脚光! 絶対女王と真逆な15歳の素顔に大会公式がユニークな対比【卓球・シンガポールスマッシュ】

出陣前の勝負メシが、思わぬ脚光を浴びた。

現地3月14日、卓球の「シンガポールスマッシュ2024」は女子シングルス3回戦が行なわれ、今夏のパリ五輪代表に内定している中学3年生の張本美和が世界ランク1位の孫穎莎(中国)と対戦。絶対女王と互角の展開を見せて一時は可能性を感じさせたが勝負所で屈し、無念のストレート負け。ベスト16で姿を消した。

先月の世界選手権団体戦・決勝で熱戦を演じたスーパー中学生と絶対女王が、再び対峙した。当時は孫穎莎が完勝を収めており、張本はリベンジを期して臨んだが、やはり卓球大国の頂点に君臨する女王の壁はあまりに高すぎた。

第1ゲームは電光石火の如く、孫穎莎が3連続ポイント。張本は攻略法を探るが、相手のパワー溢れるドライブに手を焼き、2-11と何もできずに落とす。

第2ゲームは相手のミスを誘いながら、張本が反撃。終盤まで両者はポイントを積み重ね、10-10まで競り合った。しかし、最後は世界女王の強烈なフォアを防ぎ切ることができず、10-12で連取された。
世界卓球とまったく同じ展開になり、崖っぷちに立たされた張本。第3ゲームも序盤は1-5と点差をつけられる苦しい展開だったが、15歳は変幻自在なサーブとミドルへのフォアなどで連続ポイントを積み重ねて逆転に成功。ラリーでの応酬も引けは取らず、打ち合いを制すと雄叫びを上げて自らを鼓舞した。

しかし、百戦錬磨の世界女王は鋭いサーブで反攻。じわじわと中学3年生を追い詰める。そして10-8で孫穎莎が先にマッチポイントを握ると、勝負を決める強烈なフォアハンドをお見舞い。張本は素早く返したが、無情にもボールはテーブルに触れず。絶対女王の前に、またも完敗を喫した。 ストレートで敗れたとはいえ、勝利への執念を最後まで見せた張本。日中ヒロインの再戦は大会公式も熱い視線を送っており、試合直前には両者の真逆な過ごし方が小さくない話題を呼んでいる。

ワールドテーブルテニス(WTT)は、3回戦で激突した両者の表情を追った。ベスト8進出を決めた伊藤美誠、パリ五輪代表の早田ひな、平野美宇と同じ世代(2000年生まれ)の孫穎莎は激しいラリーで汗を流し、スーパー中学生との決戦に備える。一方の張本は、柔らかい表情で白米のおにぎりを食べながら、カメラ目線で笑顔。世界卓球団体戦で「大好物」と明かした日本のお米で腹ごしらえし、大一番に臨んだ。

この動画をWTT公式X(旧ツイッター)が共有。文面には、「試合前のスタイルは、どちらが好みでしょうか。汗をかくのか、軽食(おにぎり)を取るのか」とユニークな表現で綴りユーザーに問いかけたほど、両者の対戦は世界中の卓球ファンを巻き込むほど注目が集まった。
過去3戦全敗の相手から、またも白星を掴めなかった張本。「打倒・中国」の悲願成就は、やはり高く険しい道のりだと痛感させられた。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社