ふわふわ生地からとろけるあん 星形マークが特徴「うむがー焼き」 昔ながらの沖縄のお菓子

ふっくらとした生地と甘いあんが特長のうむがー焼き

[胃心地いいね](768)玉城商店 本部町渡久地11-3本部町営市場内

 本部町営市場内にある「玉城商店」では、沖縄の昔ながらのお菓子「うむがー焼き」を販売している。店主の玉城淳さん(66)によると、ここが沖縄唯一のうむがー焼き店。姿を消しつつあったうむがー焼きのおいしさを知ってほしいと、玉城さんが約10年前から始めた。

 うむがー焼きは、今川焼きに似た沖縄の焼き菓子。戦後、まだ甘いお菓子が乏しかった頃、家庭でよく食べられていたという。焼き器は米軍機の残骸で造られ、星形マークが付いているのが特徴だった。

 玉城さんは「冬になると家族が作ってくれた。大好きなお菓子」と振り返る。通っていた小学校の近くにもうむがー焼きの店があり、休み時間には学校を抜け出して食べに行ったという。

 だが次第に取り扱う店は減り、家庭でも食べられなくなった。玉城さんは「このままなくなるのはもったいない」と一念発起。約10年前に印刷と看板制作の本業の傍ら、土日に店を開くことを決めた。

 レシピは残っておらず、3年ほど味の試行錯誤を続けた。生地は、小麦粉1キロに対して水を1.8~2リットル混ぜて作る。そこに塩と砂糖8グラムずつを加えて味付け。生地をふっくらとさせるため、タピオカ粉大さじ1杯と重曹を入れるのがこだわりだ。あんは市販の小豆あんとごまペーストを使用している。玉城さんは「レシピを広めて、多くの人に作ってほしい」と話す。

 ふわふわの生地からとろける甘いあんが自慢で、何個でもぺろりと食べられる。1パック4個入り500円で県内外、海外からも客が訪れる。「ここでしか食べられない味。ぜひ来店してほしい」と呼びかけた。(北部報道部・玉城日向子)=金曜日掲載

 【お店データ】営業時間は土日の正午~午後5時。月・金曜も不定期で営業。開店状況は電話で確認を。電話090(7399)8257。

試行錯誤の末、復活させたうむがー焼きを手際良く作る玉城淳さん=3日、本部町の玉城商店
うむがー焼き 玉城商店

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