長崎出身のプロ画家を応援! ギャラリーが浜町にあすオープン 地元の洋画家らが構想、運営

オープンするギャラリーへの思いを語る辻本健輝さん(左)とツジモトコウキさん=長崎市浜町、PW/GALLERY

 長崎県出身のプロの画家たちの作品を中心に展示する「PW/GALLERY」(ピーダブリューギャラリー)が16日、長崎市浜町にオープンする。同市の洋画家、辻本健輝さん(34)が代表社員を務める合同会社が運営。長崎はギャラリーが少なく、故郷で個展を開けない出身作家もおり、彼らを応援する空間をプロデュースする。
 立ち上げのきっかけは辻本さんと、双子の弟で日本画家のツジモトコウキさん=東京在住=が、長崎で個展を開ける所が少ないと感じたことだった。辻本さん自身、長崎にいながら、東京や福岡など県外で個展を開くのがほとんど。「自分たちだけでなく、国内外で活躍する作家の作品を地元で見て楽しんでもらえるギャラリーをつくりたい」と約5年前から構想を温めてきた。
 ギャラリー名の「PW」は「耕す」意味の英語「plow」と「art」を合わせた造語「partlow」の略で、「長崎の芸術の土を耕す」意味を込めた。浜町の通称「りかちゃん通り」のビルの2階部分にあり、展示スペースとアトリエの計120平方メートル。さまざまなアーティストに対応できる白い空間に仕立て、大型作品も2階窓から搬入できる。プロの画家である辻本さん兄弟のディレクションも強みという。

長崎ゆかりの作家の発表の場を目指す「PW/GALLERY」

 こけらおとしは16~24日、兄弟の個展を同時に開く。辻本さんの「STORY」はアクリルと岩絵の具などを用い独自の技法で幻想世界を表現した約10点。ツジモトさんの「吉兆陽照」は縁起物をテーマにポップな色彩の現代的な日本画25点前後を展示する。5月以降は本県ゆかりのペインター、写真家、ジュエリーアーティストらの作品を中心に展示を予定している。
 他にも絵画ファンやアーティストらの交流会も開くことにしている。辻本さんは「長崎出身のこんな作家がいると知ってほしい。アートに触れ、文化や芸術に興味を持ってもらうきっかけになれば」と期待している。

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