日鉄が声明修正、レイオフや工場閉鎖ないと強調 USスチール買収巡り

Nobuhiro Kubo Atsuko Aoyama

[東京 15日 ロイター] - 日本製鉄は15日午後、米鉄鋼大手USスチールの買収計画について午前に出した声明を一部修正し、「本買収に起因するレイオフ及び工場閉鎖を行わないことなどをUSW(全米鉄鋼労働組合)にコミットする」とした。午前の声明は「2026年9月までは一定の条件の下でレイオフや工場閉鎖を行わない」と期限を盛り込んでいた。

日鉄広報はロイターに対し「期限を区切ることで誤解を招きかねず、適切な表現に修正した」と説明した。

同買収計画にはUSWのほか、党派を超えて米議員の一部が反対。11月に選挙を控えるバイデン米大統領は14日、USスチールは米国内で所有・運営される企業であり続けなければならないと述べ、日鉄の買収に反対する姿勢を示した。

日鉄は声明で、強い決意で買収を完了させると強調。競争力ある製品で米国の優位性を高めるとともに、「米国のサプライチェーン(供給網)と中国に対する経済安全保障を強化する」とした。

USスチールを巡っては、米同業のクリーブランド・クリフスも買収を提案していた。クリーブランドのローレンソ・ゴンサルベス最高経営責任者(CEO)は14日、ロイターとのインタビューで、日本製鉄による買収が破談すれば、再提案を検討する意向を明らかにした。

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