ドイツへの海外企業投資、過去10年で最低 空洞化懸念で=調査

Rene Wagner

[ベルリン 14日 ロイター] - 昨年の海外企業によるドイツへの投資が過去10年で最低水準だったことが、ドイツ経済研究所(IW)が14日発表した調査で分かった。同国の産業空洞化に対する懸念が浮上したことが背景とみられている。

昨年の対独投資は220億ユーロ(240億7000万ドル)

経済省の統計によると、ドイツ経済の20%以上を工業部門が占め、サービス部門は70%を占める。

IWによると、ドイツ企業の海外投資と海外企業のドイツ投資の差し引きでは940億ユーロの純流出に縮小。ただ、海外投資は2022・23年と連続で増加した。

IWは「高水準の純流出が繰り返されているということは、これが例外的な現象ではなく、産業空洞化の初期症状ということだ」と指摘した。

高い労働コストなどから、多くのドイツ企業が欧州新興国などに事業の一部または全部を移転している。

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