中国人民銀、MLF金利予想通り据え置き 差し引きで資金吸収

[上海/シンガポール 15日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)15日、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて2022年11月以来となる資金吸収を実施し、市場の予想通り金利を据え置いた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期を巡る不透明感がある中、通貨安定を優先させて利下げは見送った。

人民銀は1年物MLFを通じて金融機関に3870億元(538億ドル)を供給。金利は2.50%で前回から変わらなかった。

今月は4810億元相当のMLF融資が期日を迎えるため、差し引きで940億元の吸収となる。

中銀はこの日の公開市場操作(オペ)が「金融機関の需要を完全に満たし」、銀行システムの流動性を合理的に潤沢な状態に保ったと声明で述べた。

ANZの中国担当シニアストラテジスト、ケイ兆鵬氏は資金吸収について、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府活動報告に盛り込まれた遊休資本の阻止を明らかに反映していると指摘した。

ロイターが市場関係者36人を対象に実施した調査では32人が金利据え置きを予想していた。

OCBC銀行の金利ストラテジスト、フランシス・チュン氏は、今回のMLFオペは預金準備率(RRR)の引き下げが近いことを示している可能性があると指摘。「MLFの一部を、RRR引き下げで市場に放出される流動性で代替させる意図があるかもしれない。いずれにしても当局はこれまでRRR引き下げを強く示唆してきた」とした。

人民銀はまた、期間7日のリバースレポで130億元を供給した。金利は1.80%で変わらずだった。

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