ヘンク加入の神村学園DF吉永夢希が渡欧。元バルセロナ左SBを見本にロス五輪やA代表へ「絶対に入りたい」

3月14日、神村学園高を卒業し、ベルギーのヘンクへ加入するDF吉永夢希(ゆめき/18歳)が渡欧した。

突破力や正確なクロスが武器のレフティである吉永は左SBなどとして世代別代表でも活躍。2023年はU-17アジアカップでの日本の連覇に貢献し、11月にはU-17ワールドカップにも出場を果たした注目株だ。

吉永はJリーグを経由しないヨーロッパ挑戦へ「やっぱり最終的に世界で活躍したい想いが自分の中にあったので、日本じゃなく海外でやったほうが自分のために成長できると思ったので選びました」と意気込む。

現地での2週間ほどの練習を通して「監督を含めて選手も人が良いですし、環境でも一番成長できると思いました」と振り返る。

大きな選択の裏には神村学園の先輩で高校卒業後にボルシアMGへ加入したFW福田師王(19歳)の存在もある。

「以前にご飯に一緒に行き、『早めに海外に来たほうが良いよ』と言ってもらえて、それも決め手になりました」

福田のドイツのでのプレーに関しては「一緒に身近にやっていた仲なのですごいと思いますし、あれだけ注目されて結果を残しているので尊敬しています」と羨望の眼差しを向ける。

その意味で渡欧へ特段持っていくものはないと話すなか、異国でのお守りは福田からもらったサイン入りのスパイクだという。

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海外で目指すプレーヤー像は「もっとクロスだったりスピードは上げていきたいですし、自分のウィークポイントである守備は向こうで強化していきたいです」と語る。

理想像はバルセロナなどで活躍した左SBジョルディ・アルバだ。

「ずっとプレーを見ていますし、クロスでアシストして得点もできるので、そういう選手に今後なっていきたいです」

そして明確な未来像も描く。

「A代表に絶対に定着したいです。

(25年の)U-20のワールドカップと、(28年の)ロス五輪は自分の代なので、そこは絶対に入らないといけないと思っています」

神村学園で教わったのは「人のためにやるということ」。

「有村先生がみんなに言ってくれていた言葉なので、これからベルギーに行って、今まで支えてくれた人に恩返しをするために頑張らなくちゃいけない。人のためにやるということは常に心のなかに刻んでやっていきたいです」

ヘンクには1月にFC東京から期限付きで加入したFW熊田直紀(19歳)も所属しており、彼とともにまずセカンドチームで研鑽を積むことになる。

笑顔が似合う好青年が、日本の左SBとして脚光を浴びる日を楽しみにしたい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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