北陸新幹線福井県内開業に伴い、特急しらさぎとサンダーバードが3月15日、JR北陸線金沢―敦賀間の運行最終日を迎えた。北陸と中京・関西を結び、観光やビジネスなど県民の足として親しまれ約60年。沿線では多くの県民やファンが、感謝の思いを込めて“ラストラン”を見送った。
福井市の福井駅では夕方から、記念に切符を買い求める客らで自動券売機の前に長蛇の列ができた。午後8時58分、5番ホームに上り最終のしらさぎ66号が定刻より数分遅れで到着。待ち受けたファンらが“最後の勇姿”をカメラに収め、ゆっくりと発車する車両を手を振って送り出した。
手書きのメッセージボードを持って見送ったのは同市の小学3年の男子児童。母親は「小さい頃から(しらさぎとサンダーバードが)大好きで時間があれば、よく駅や沿線に見に来ていた。息子の成長とともにあった列車でした」と感慨深げ。児童は「さみしいけど、今までありがとうって伝えたい」と手を振り続けていた。
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午後9時33分には大阪行き最終のサンダーバード50号が福井駅を発車した。
しらさぎは1964年に名古屋―富山間で運行を開始。サンダーバードの前身、特急「雷鳥」も同年に大阪―富山間で運行を始めた。95年に新型車両「スーパー雷鳥(サンダーバード)」が投入され、97年にサンダーバードと改称した。
北陸新幹線敦賀開業後はしらさぎ、サンダーバードとも敦賀駅止まりになる。北陸線の県内区間は第三セクター「ハピラインふくい」が引き継ぐ。