15日朝、電子新聞を開いてびっくり仰天したのが、「那覇市が路面電車導入へ」というニュース。那覇市が導入の可能性を探っていた次世代型路面電車(LRT)について、市内を東西・南北に走る2路線案を内定し、しかも、国や県、県警など関係機関の大筋了解を得たというのです。
SNSでも話題沸騰。沖縄タイムスの公式SNS投稿にも「那覇ばっかずるい」「鉄道がない沖縄県民にいきなり路面電車はハードルが高い」「生きている間に頼む!」「工事中の渋滞が怖い」など、さまざまな反応がありました。
翁長雄志さんの「悲願」
交通渋滞が深刻な那覇市街地への路面電車導入は、翁長雄志さんが那覇市長に初当選した2000年の那覇市長選時から、討論会などで必要性を訴えてきた政策。その“悲願”が、翁長さんの「元側近」である知念覚那覇市長のもとで、いよいよ、花開こうとしているんですね。
ルート候補はもともと3案
那覇市は、2010年ごろからLRT本格導入の可能性を探り出し、2015~2017年度の調査事業で候補となるルートの素案3路線をまとめました。
那覇市が今回内定した2案は、那覇バスターミナル(泉崎)付近~南部医療センター・こども医療センター(南風原町新川)付近の東西路線と、真玉橋(古波蔵)付近~新都心地区の南北路線(ルートの図案はこちら)。寄宮交差点付近で各路線が交差する素案3路線の方針を生かしつつ、路線本数を絞った格好です。
各路線が交錯し「交通拠点」となる寄宮交差点付近の現場に行ってみました。
そうか…。ここらへんにLRTが走るのか…! 那覇市は、片側2車線の場合には1車線をLRT軌道に置き換える方針だとか。交通量がかなり多い現行の交差点をいざ目の前にすると、1車線に減り、さらに交通渋滞も改善するという想像がなかなかできませんが、夢は広がります。SNS上では「寄宮がアツくなる!」と期待の声もありました。
「宇都宮LRT」は着工5年後に開業
先行事例として名前が挙がる栃木県宇都宮市の「宇都宮ライトレール」(愛称「ライトライン」)。宇都宮市が2013年に本格導入の方針を示してから、2018年3月の着工を経て、2023年8月に開業しました。市などによると、開業前後で道路の交通量が減り、渋滞解消に効果が出ているそうです。
いよいよ、となれば、周辺の不動産市場にも影響が出てきそうです。沖縄都市モノレール(ゆいレール)開業後に沿線の地価が上昇したというニュースが先日ありましたが、宇都宮市内でも同様の傾向がみられるそうです。県民生活だけでなく、沖縄経済にも、大きな影響を与えそうですね。
来週は、大好評のウェブオリジナル企画、沖縄県内で起きた事件・事故の真相を県警担当記者らが深掘りする「事件・事故の真相」の新作が公開予定です! 乞うご期待。
今週のデジ編チョイスは篠原知恵が担当しました。