渡良瀬遊水地コウノトリのペア、産卵か 小山の人工巣塔 5年連続ひな誕生に期待

巣材を運ぶひかる=10日午前、小山市下生井(わたらせ未来基金提供)

 栃木県小山市は15日、同市下生井の渡良瀬遊水地の人工巣塔に定着している国の特別天然記念物コウノトリのペアが、産卵したとみられると発表した。産卵推定日は10日。ふ化は4月上〜中旬の予定で、誕生すれば同所では5年連続となる。

 ペアは千葉県野田市生まれの7歳の雄「ひかる」と、4歳の雌「レイ」。2月上旬ごろから交尾らしき行動、今月10日ごろから交代で巣に伏せるような行動を確認。コウノトリ研究機関の兵庫県立コウノトリの郷公園などに観察記録を提供し、産卵が推定された。

 昨年は2月20日ごろには交代で巣に伏せるような行動が確認されていただけに、15日の定例記者会見で浅野正富(あさのまさとみ)市長は「報告が遅くやきもきしていたが、ほっとしている」と笑顔。渡良瀬遊水地では栃木市の人工巣塔でも営巣が確認されており「栃木市と2組で繁殖できれば」と期待した。

 小山市は本年度、「生井桜づつみ」にある観察小屋に約175万円をかけ、約25倍の双眼望遠鏡を設置した。21日午後から無料で使用できる。

抱卵活動が確認されたひかる(手前)とレイ=10日午前、小山市下生井(わたらせ未来基金提供)

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