鹿児島港本港区南部の渋滞解消へ…2つの臨港道路一体化を本格検討 県「10年以内に着手」

 鹿児島県は15日、鹿児島港本港区(鹿児島市)の南端一帯で起きている渋滞の解消策として、二つの臨港道路をつなげる検討を本格化させる意向を明らかにした。安原達土木部長は取材に「10年以内に事業着手したい」との考えを示した。

 県議会に同日報告した本港区エリアコンセプトプラン案で「優先的に検討する」とした。現状、住吉町15番街区付近にある臨港道路の本港区線と新港区線を通行するには、別の道路を約100メートル使う必要がある。交差点が連続する区間で渋滞の原因になっている。

 港湾空港課によると、15番街区内の船だまりの一部を埋め立てて本港区線と新港区線を直接結ぶ計画。船だまりの船の移動先や用地の確保が課題としている。新たな道路の長さなど詳細は決まっていない。

 両路線を結ぶ案は、物流の円滑化を目的に現行の港湾計画(1993年策定)にも盛り込んでいるが、他の臨港道路整備を優先したため進展がなかった。同課は検討を本格化させる理由について、本港区再開発を挙げ「交通量の増加が今後予想される」と説明。安原部長は「本港区のにぎわい創出のために必要だ。後回しにはできない」と述べた。

© 株式会社南日本新聞社