気の毒な人に「してあげる」は古くて上から目線 ボランティアは誰もが「対等」と有識者

ボランティアの意義や心構えを語る南准教授(京都府城陽市・市福祉センター)

 ボランティア入門講座「誰かのために、自分のために…ボランティアをやってみよう!」が、京都府城陽市の市福祉センターで開かれた。講師の南多恵子・関西福祉科学大准教授(地域福祉)がボランティアの意義などを伝えた。

 地域で豊かな生活を営むヒントにしてもらおうと、市社会福祉協議会が企画した。南准教授はボランティアは「『私』と『社会』とを縫い合わせてくれる糸」と説明。活動を通じて社会参加を続けることが、健康や長生きにもつながるとした。

 その上で、支援する側とされる側は対等であると強調。「(支援者側が)活動を通じて成長したり、友人ができたりする。両者に笑顔が生まれる」とし、「気の毒な人に何かをしてあげる」という考えを、上から目線で古いイメージと述べた。

 講座では続いて、市内で要約筆記の活動をする女性がマイクを持ち「難聴になると会話が減り、人を孤立させる。(手助けすることで)『分かったよ』とすごく感謝される。良かったなあと思えます」とやりがいを語った。

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